この記事には作品の説明のため、物語の核心に触れる内容、いわゆるネタバレが記述されています。それを踏まえた上で細心の注意を払って閲覧してください。免責事項もお読みください。 |
L(エル)は、漫画『DEATH NOTE』の探偵。本作の主人公の一人。
演者
- 声優
- アニメ版 - 山口勝平
- 俳優
- 実写映画版 - 松山ケンイチ
- ミュージカル版 - 小池徹平、韓国版:キム・ジュンス
- ドラマ版 - 山﨑賢人
プロフィール
- 生年月日 - 1979年(アニメ版では1982年)10月31日
- 命日 - 2004年(アニメ版では2007年)(享年25歳)11月5日、実写版では2006年7月30日
- 身長 - 179cm(推定)
- 体重 - 50kg(推定)
- 血液型 - 不明
- 性格 - 負けず嫌い
- 好きなもの - 甘い食べ物
- 嫌いなもの - 靴下(部屋にいるときは裸足で、外に出る際も靴の踵を潰して裸足で履く)
- 東応大学の大学生(流河旱樹名義で在籍)。入学試験では全教科満点で夜神月と同着のトップ合格をし、入学式で月と共に新入生代表の挨拶をしている。(原作・アニメのみ)
- 本名 - エル=ローライト(L Lawliet)(『DEATH NOTE HOW TO READ13』、『L change the WorLd』)
出生に関して、原作者の大場は「私のイメージでは日本人、イギリス人、ロシア人、フランス人かイタリア人がそれぞれ1/4」とコメントしている。
- 作中では、ワタリやその関係者に国籍がイギリスである事を話している。
- 日本語、中国語、英語、ドイツ語、フランス語、ロシア語に堪能で、各国のICPO関係者や前述のような日本の警察関係者にも難なく会話をこなせる。
人物
探偵として
自分の気に入った事件にしか関わらないが、迷宮入り事件を含む3500に及ぶ事件を解決し、全世界の警察を動かせる唯一の存在として「影のトップ」「最後の切り札」「世界一の探偵」と呼ばれる。また、作中でLと並び「世界三大探偵」と評されるドヌーヴ、エラルド=コイルもLと同一人物である。ただしこの二人の探偵はかつて実在した人物であり、欧州バイオテロ事件と呼ばれる事件に際して、これらの探偵と探偵合戦をし、名前を勝ち取ったものとされている。
キラ事件の際には、自分がLであることを本部以外の人間に悟られぬよう、日本捜査本部の刑事達や補佐役のワタリにまで自分を「竜崎」と呼ばせたり、東応大学に入学した際には、作戦として流河旱樹(りゅうが ひでき)という作中に登場する人気アーティストと同姓同名を名乗るなど、様々な偽名を使用した。
自分は事件現場に赴かず、ワタリや協力者に指示を出して集めた情報や、各国の捜査機関から提供された資料・証拠などをもとに真相を推理し、事件解決の指揮をとる安楽椅子探偵と警察には思われているが、それは身分を隠している事によるもので、キラ事件においては捜査員の指揮から容疑者の迅速な確保の手回しまで1人で全て行った上、自ら東応大学に潜入して容疑者である夜神月に接触を図った事に加え、ロサンゼルスBB連続殺人事件では、事件が解決したにもかかわらず危険を冒してまで事件解決の立役者である南空ナオミと接触するなど、実際は非常に行動的である。体力の面でもイギリス在住中にテニスのJr.チャンピオンを獲得したと語り、格闘技のカポエイラを習得している。西尾維新による小説化作品『ロサンゼルスBB連続殺人事件』では、南空ナオミからカポエイラのことを聞き、ビデオを見てほぼマスターしたというエピソードが語られた。
容姿・性格
痩せ形の体型で、目の下に隈があり、髪は黒く眉が隠れるほど長く初期はパーマがかかっていた。服装は一年を通してゆったりとした白い長袖シャツにジーンズ。他人に対しては常に敬語で接する。猫背で、親指の爪を噛む癖があり、「この座り方でないと推理力が40%落ちる」と言って、膝を曲げて胸に抱え込むような姿勢で椅子につくといった仕草が特徴。
自ら「幼稚で負けず嫌い」と称する通り、些細な勝負であろうと負けを嫌い、ほんの些細な疑問でも追求していく徹底主義者。一方で社交性はないに等しく、その徹底した捜査方法が周りに理解されない事から、作中では日本捜査本部捜査員等と衝突する事も多かった。事件解決のための発想や行動力は豊富で、テレビを通じて「私を殺してみろ」との挑発を流したり、夜神月に近づいて自ら素性を明かしたり、友達だと宣言して意表を突くといった行動を見せている。
極度の甘党で、推理の現場ではことあるごとに菓子やデザートといった甘味の間食を欠かさない。また、コーヒーや紅茶等の飲み物には砂糖を大量に入れる。作中でまともな食事を摂った描写は一切ないが[1]、映画版や小説版では「糖分は脳にとって最も必要なエネルギー源だから」と語り、糖分の取りすぎが肥満や体調不良に繋がらないのは「頭を使っているから」だと述べている。
関わった事件
- ウィンチェスター爆弾魔事件
- ノベライズ作品の中でメロが自身の知るLの武勇伝の一つとして挙げた事件で、詳細は不明だが『第三次世界大戦を未然に防いだ』と語られている。推定年齢7~8歳のLとワタリが初めて出会った事件とされている。
- 欧州バイオテロ事件
- 時系列的にどこに位置するかは不明。ウィンチェスター爆弾魔事件と同様、メロの知る武勇伝の一つとして上げられている。詳細は不明で、メロは『ゲストとしてワイミーズハウスの初代A~Zが参戦した』と語る。また、Lがエラルド・コイル、ドヌーヴという二つの探偵コードを勝ち取った事件でもある。
- ロサンゼルスBB連続殺人事件
- ノベライズ作品で語られたLと南空ナオミが解決に尽力した連続殺人事件。ワイミーズハウス出身のBことビヨンド・バースデイが犯人であることにLは初めから確信を持っていたようである。この事件の最中にLはナオミからカポエラについて聞き、習得。この事件がきっかけで以後探偵コードの一つとして『竜崎』を使用している。その後犯人のビヨンド・バースデイはキラによって殺害された。
- 偽NPO「クリエラの月」
- 事件の名称は不明。中米クリエラ共和国の難民救済のためのNPO「クリエラの月」の実態が難民たちを利用して武器を売りさばく闇ブローカーであると発覚、組織壊滅までの活動の全指揮をLが執ったとされる事件である。この事件にLが参加したことにより、後にLブランド事件に発展する。
- Lブランド事件
- 事件の名称は不明。「クリエラの月」が活動を再開したとして捜査中だったFBI捜査官が拉致され、犯人側がネゴシエーターとしてLを指名した。この事件の本当の目的は、捜査官を脱出させる過程で、Lの手で複数のトラップを解除させ、そのデータをもとにLブランドと称してそれらのトラップを売り出そうとするアロイス・ベイトソンの企みであった。事件はFBI捜査官と犯人の一人であったジェフリー・ミラーの協力によって解決し、アロイスは逮捕後、キラによって獄中死している。
- キラ事件
- 原作で描かれたLが関わった最後の事件。死神のノートを手にしたキラという殺人鬼を相手に頭脳戦を繰り広げ、夜神月をはじめとする容疑者を数名確保したが、決定的な証拠を得られないまま死神によって殺害される。
- 実写版では夜神月の策略を看破し、その裏をかいて自身が生きたまま事件を解決したが、ノートを使用した計画だったため、解決から二十日後に心不全で安楽死する。
- 人類削減計画
- 実写映画版と小説版で異なる展開が描かれた、実写版キラ事件から続く最後の事件。環境保護団体「ブルーシップ」による行き過ぎた環境保護計画である人類削減計画を、ノートによって残された僅かの時間の中で解決する。新種のウィルスを使った大掛かりなテロ事件であり、ワイミーズハウス出身の「F」や「K」が関わった事件でもある。実写版では、この事件の解決後に死亡した。
死
弥が二度も死神の目の取引をしたことや、その将来性を考慮した死神レムによってワタリと共にデスノートに名前を書かれ心臓麻痺で死亡するものの、自らのパソコンに「1か月操作されないと自動的にワイミーズハウスの院長ロジャーに自分の死を伝える」というプログラムをセットしており、後の行動を託した。
派生作品でのL
実写映画版
実写映画版では、インターポールが日本に送った男ということになっている。捜査をゲーム同様に捉え、時に人間的な感情を排した捜査や推理を行うため、松田や総一郎から非難の声を浴びることもあった。月に対しては事件解決時に「友達になれず残念です」と語っている。甘い物を大量に食べる特徴は同じだが、映画後編では和菓子も食べ、Lを演じた松山ケンイチの案により、スウィーツ以外にコンソメ味のポテトチップス等も捜査本部に散らかっている。テニスやカポエラなどの特技はなく、運動は苦手分野の一つとなっている。
白いシャツにジーンズという服装も同じで、撮影においては同じ白シャツが何着も用意された。眉は剃り落として演じている。
自分の名前がデスノートに書かれることを察知し、それより先に、あえて自ら「心不全で23日後に安らかな眠りの中で死亡」と書くことで、この23日間はノートの効果で殺害されることを防いだ。
これにより月を罠に嵌め、L殺害に成功したと勘違いした月は自らをキラと明かし、追い詰められた結果、死神リュークに名前を書かれ死亡。結果的に事件は解決したものの、Lは月を救えなかったことを後悔している。その後、総一郎に「あなたは立派な父親だと感じました」と遺し、ワタリの写真を傍らに静かに息を引き取った。その際には、自らが孤児だったことを明かしている。
『L change the WorLd』
デスノートに書き込んだ死期が間近に迫り、抱えていた世界中の難事件を次々と1人で解決していた。そんな折、タイから新種ウイルス被害の生き残りの少年BOY(Fからの贈り物)と、ワタリに託されるはずだったウイルスを携えた真希が訪れる。最期の6日間を懸けて「人類削減計画」を掲げる組織『ブルーシップ』が関わる事件解決に動き出す。
事件解決後、BOYをワイミーズハウスに預け「救いたい人の側にいられるように」との願いを込めて「ニア(Near)」と名づけた。
小説版では真希が関西弁であるなど、実写版とは設定が異なっている。
Lの後継者・候補者
ワタリが創設した養護施設『ワイミーズハウス』にはLの後継者を担う子供達がおり、第二部では3人の後継者候補が登場する。
- 夜神月
- 二代目Lとして、キラと警察のいたちごっこを演出し、キラの影響力を強めていく。Lの死を悟らせないためにと月自身が仕向けたことから後継者となったため、ワイミーズハウスのLの後継者育成という目的には気づいておらず、「ワタリが創立した養護施設」としか認識していなかった。
- ニア
- ワタリが建てた孤児院ワイミーズハウスで育ったLの後継者1次候補。アメリカでキラ対策機関SPKを結成して「N」と名乗り、真なるLの後継者であることを二代目Lである月に認知させる。月の死後3代目Lとなる。
- メロ
- ニアと同じくワイミーズハウスで育ったLの後継者2次候補。Lの後継者の座をニアに譲り、ニアとは別にマフィアやワイミーズハウス出身のマットと手を組んでキラに迫る。
- マット
- ニア、メロと同じくワイミーズハウスで育ったLの後継者3次候補。ワイミーズハウス出身のメロと手を組んでキラに迫ったが、メロ以外の主な登場人物は、その存在を全く知らない。
- ビヨンド・バースデイ
- 通称「B」。創設初期のワイミーズハウスの出身で、先天性の死神の目の持ち主。正確にはLを継ごうとしたわけではなくLを超えることを最大の目的にしていた。
Lの先任者?
ニアが「三代目L」と称されたことについて、「初代Lやニアやメロなど、多くのワイミーズハウス関係者が自身の正体を隠していたのに、その最大の謎とも言えるLについて、「三代目L」などの核心に迫ることを話すとも思えないので、それ以前にいたと思わせないための言葉ではないか?」や「本当に、夜神月を二代目Lと認めての発言なのか?」などの疑問が出ていた。
原作者の大場は、「月に対しての竜崎、キラに対してのLとして考えましたが、キラとLがほぼ同時というのはおかしいですし、ワイミーズなどを考えると、竜崎以前にそういう存在がいてもおかしくないですね」と語っている。
スピンオフ・パロディ等
- 『ボボボーボ・ボーボボ』との合作企画で書かれた『page.17 視線』は、ところ天の助が初代Lを演じた。月とLの配役は、大場つぐみの指名による。
- DS用ゲーム『キラゲーム』では月の策略を見破り勝利するシナリオもある。
- 日本テレビ系列局での映画告知CMでは最後に各局のマークやキャッチコピーを主演俳優が言う(系列局のアナウンサーが言う局もある)が、『L change the WorLd』の告知CMではイメージの都合などで、L役の松山ケンイチが無言でフリップを持ち各局でナレーションを流す演出となった。
- ロッテのキシリトールガムのCMで『ロッテのキシリトールは、Lだってもっている』をフレーズとして俳優松山ケンイチが抜擢された。
- 番外編小説『DEATH NOTE ANOTHER NOTE~ロサンゼルスBB連続殺人事件~』ではLと南空ナオミとの過去が西尾維新によって描かれる。
- DSゲーム第3弾『L the prologe to DEATH NOTE 螺旋の罠』でキラ事件以前の事件にプレイヤーとLが関わることとなる。
備考
- 携帯電話のオフィシャルサイトでの人気投票では主人公の月を抑えて1位を獲得した。
- 実写映画版で月を演じた藤原竜也は、最初はLのほうを演じたかったと発言している。オファーされた時点では原作未読だったという[2]。
脚注
関連項目
- アンチヒーロー
DEATH NOTE | |
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作者 | 大場つぐみ(原作) - 小畑健(作画) |
登場人物 | 人物一覧 - 夜神月 - L - 弥海砂 - 死神一覧 |
メディア展開 | 実写映画 - 小説 - アニメ |
トリビュート アルバム |
第1作 - 第2作 |
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